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アジサイの知識

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シーボルトとあじさいと牧野富太郎


鎖国時代に長崎にオランダ商館員の一員として日本に渡来し、オランダ人と偽って出島に滞在し医療と博物学的研究に従事したドイツ人医師にして博物学者フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト|シーボルトは、オランダに帰還してから植物学者のツッカリニと共著で『日本植物誌』を著した際にアジサイ属14種を新種記載している。その中で花序全体が装飾花になる園芸品種のアジサイを''Hydrangea otakusa'' Siebold et Zuccariniと命名している。しかしこれはすでにカール・ツンベルクによって記載されていた''H. macrophylla'' (Thunberg) Seringe var. ''macrophylla''のシノニム(同一種)とみなされ、植物学上有効名ではない。にも関わらず、牧野富太郎が自著の各種植物図鑑において''Hydrangea macrophylla'' Seringe var. ''otaksa'' Makinoの学名を用い種の記載者がSeringeで変種の記載者が牧野自身であるとする事実と異なる処置を行っていることから、一部の植物学書であたかも''H. otakusa''が植物学的な有効名であるかのような誤解が広まってしまっている。牧野は上記の植物学的に不可解な処置と矛盾する言動をまた、著書の中で行っている。シーボルトは自著の中で"otakusa"をアジサイが日本で「オタクサ」と呼ばれていると命名の由来を説明しているが、牧野は日本国内でこの呼称が確認できなかったことからシーボルトの愛妾の楠本滝(お滝さん)の名を潜ませたと推測し、美しい花に花柳界の女性の名をつけたとして強く非難している。牧野のこの推測によって「オタクサ」の名はシーボルトとお滝さんのロマンスをイメージさせて文人作家の創作意欲を刺激し、詩歌にこの名を詠み込むことなどが盛んに行われている。季語は夏。

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